
葬儀前後に行う最初の手続き
家族が亡くなった直後は、葬儀の手配と同時に行政上の手続きも進めなければなりません。最初に医師から死亡診断書を受け取り、内容に誤りがないか確認します。事故などで死因を調べる必要がある場合は、死亡診断書ではなく死体検案書が交付されることがあります。これらの書類は死亡届と一体になっていることが多いため、紛失しないように保管しましょう。今後の保険や相続の手続きで写しを求められることもあるため、提出前にコピーを数部用意しておくと便利です。
死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内に、亡くなった方の死亡地や本籍地、届出人の所在地の市区町村役場へ提出します。届出には死亡診断書または死体検案書が必要です。死亡届を提出すると、火葬に必要な火葬許可証が交付されます。実際には葬儀社が提出を代行する場合もありますが、誰が届け出るのかを打ち合わせ時に確認しておくと安心です。
火葬許可証は火葬場へ提出し、火葬後に返却される書類を納骨まで大切に保管します。また、勤務先への連絡、健康保険の資格喪失に関する確認、世帯主変更などが必要になる場合もあります。自治体や加入制度によって必要書類が異なるため、役所のおくやみ窓口や葬儀社の案内を活用し、手続きの一覧を作ると漏れを防ぎやすくなります。
葬儀後に確認したい保険や年金の手続き
葬儀が終わった後は、健康保険、年金、介護保険などの手続きを確認します。亡くなった方が会社の健康保険に加入していた場合は、勤務先へ連絡し、資格確認書など返却が必要なものを確認してください。一定の条件を満たす人には、申請により埋葬料や埋葬費が支給されることがあります。協会けんぽでは、被保険者に生計を維持されていた人への埋葬料などが案内されているため、加入先へ問い合わせましょう。
年金を受給していた方が亡くなった場合は、年金の受給停止や未支給年金の請求を確認します。日本年金機構にマイナンバーが収録されている場合、死亡届の提出を原則省略できることがありますが、未支給年金を受け取るには請求書の提出が必要です。また、遺族の状況によっては遺族基礎年金や遺族厚生年金などを受け取れる可能性があります。
そのほか、生命保険、医療保険、公共料金、携帯電話、クレジットカード、賃貸契約などの名義変更や解約も必要です。請求書や通帳の引き落とし履歴を確認すると、契約先を見つけやすくなります。故人宛ての郵便物も重要な手掛かりになるため、すぐに処分せず一定期間まとめて保管しましょう。手続きの控えや受付番号も残しておくと、後日の問い合わせがスムーズです。
相続に関する手続きは期限を意識して進める
葬儀の手続きと並行して、相続財産の確認も始めます。預貯金、不動産、有価証券、保険金だけでなく、住宅ローン、借入金、未払い金などの負債も調べることが重要です。遺言書が見つかった場合は、種類によって家庭裁判所での検認が必要になることがあるため、勝手に開封せず専門家へ相談しましょう。通帳や権利証、保険証券、契約書などを一か所に集め、家族で確認できる状態にしておくことも大切です。
相続放棄は、原則として自分が相続人になったことを知ったときから3か月以内に家庭裁判所へ申し立てます。財産や借金の全体像が分からないまま放置すると、判断が難しくなるため、早めに調査を始めることが大切です。相続税の申告が必要な場合は、通常、死亡した日の翌日から10か月以内が期限です。
不動産を相続した場合は、取得したことを知った日から3年以内の相続登記が法律上の義務になっています。葬儀後の手続きは種類が多いため、期限、提出先、必要書類、完了日を表にして管理すると整理しやすくなります。判断に迷う場合は、市区町村、年金事務所、税務署、法務局のほか、司法書士や税理士などへ早めに相談し、家族だけで抱え込まないことが大切です。
